環境空気中に浮遊している有害物質は、ガス、粒子、繊維状など様々な形態を有しており、その発生源も工場、自動車排ガス、廃棄物など多岐にわたっています。特に微細な粒子ほど肺の奥まで到達し人体に悪影響を与えることが懸念されています。
環境空気においてこれらの粒子状物質の濃度を測定し分析することで、人為発生源を推定したり、大気中での動向を調査したりしています。
人体に吸引された粒子は粒径が小さいほど、肺の奥に達し、健康リスクが増大する懸念が生じます。
実際に工場でそういった粉じんの濃度を測定したり、粉じん中の遊離けい酸含有率をX線回折法で測定したり、幅広く研究を行っています。
またナノ粒子は従来の作業環境測定が必ずしも有効かどうか判明していないので、測定法を模索しています。
多くの労働現場の環境空気中に、例えば塗装や接着に使用される有機溶剤(トルエンなど)や、医療現場における特定化学物質(ホルムアルデヒドなど)などの揮発性有機化合物(VOC)が存在しています。
これらの物質に曝露される量が多いと、作業者の人体に有害な影響を与える可能性があるため、その対策が求められています。
そこで、これらVOCの処理する方法として、環境負荷の少ない光触媒や金属酸化物、常温でも反応性の高いオゾンに注目して、高効率の分解処理技術の確立を目指しています。また通常の光触媒は紫外線を利用しますが、可視光によって触媒作用を起こすような光触媒材料についても、開発を続けています。